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オリジナル 翻字 原文(漢字や読み仮名等を補足) 現代語訳

 

恋は盲目と言いますが、留山にメロメロになった岡持は、他の遊女はアウトオブ眼中になり、ヘンテコな姿に見えてしまうように、なってしまったようです。


この中では特に、浜岸と留川がヒドイ姿ですね(笑)

ここに登場する枡葉屋《ますば》の遊女たちには、実在のモデルがいるようです。

枡葉屋《ますば》は先述のように松葉屋《まつばや》という実在の遊女屋もじっているのだと思います。

前に登場した遣手《やりて》の「おまつ」は、松葉屋の遣手の「まさ」がモデルのようです。

以下、モデルとなった遊女名を左に、ここで書かれているもじった名前を右に、一覧のように列挙しますね。

軽くざっと調べただけなので、間違ってたらスイマセン。


染山《そめやま》→留山《とめやま》

芝浦《しばうら》→島浦《しまうら》

松人《まつんど》→枡人《ますんど》

松花《まつはな》→枡花《ますはな》

川岸《かわぎし》→浜岸《はまぎし》

瀬川《せがわ》→瀬沢《せざわ》

松ヶ枝《まつがえ》→枡ヶ枝《ますがえ》

松花《まつはな》→枡花《ますはな》

染川《そめがわ》→留川《とめがわ》


このことを調べるに当たって、当時の吉原細見(吉原ガイドブック)を参考にしました。

吉原細見にはこのように、お店と所属の遊女の名前が書かれています。



吉原細見五葉枩 - 国立国会図書館デジタルコレクション

ちなみに、岡持こと喜三二こと朋誠堂さん、前に「細見の序を書く朋誠堂」と書かれていたように、ちゃんと吉原細見の序文を書いているのを確認できました。



吉原細見五葉枩 - 国立国会図書館デジタルコレクション


※ 固有名詞に関しては、ふさわしいと思われる漢字を仮にあてています。



『亀山人家妖《きさんじんいえのばけもの》』

[天明7(1787)年刊、喜三二(平沢常富)作、北尾重政 画]

※この記事では国会図書館デジタルコレクションの画像を適時改変して使用しています。

絵本国土産 - 国立国会図書館デジタルコレクション

亀山人家妖 3巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション



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